心の三叉路〜10〜昭和の香り

大城勝太

2007年12月17日 15:14

気がつけば来年は平成20年

故・小渕恵三氏が「平成」という
新しい元号をかざしてから20年。

昭和は遠くなりにけり。ですねぇ。


来年からは平成生まれの人と
酒を酌み交わすんですよ。
時の流れは早いものです。

ここ数年の「昭和ブーム」をみると、
昭和という時代が、昨日の出来事としてではなく
そろそろセピア色の記憶になり始めていることを
実感します。

古き良き昭和の時代にどっぷり浸りたい
という方におススメしたいのが
直木賞作家、向田邦子のエッセイ。

向田邦子と聞いて
「寺内貫太郎一家」や
「だいこんの花」といった
テレビドラマを思い出した方も多いのでは
ないでしょうか?

昭和に生まれ昭和56年に不慮の事故で
亡くなった向田邦子の随筆は、必然的に
昭和を描かざるをえなかった。
食生活、文化、民俗、戦争。
生きた庶民の昭和の記録が彼女のエッセイに
はちりばめられているのです。

向田作品はいろいろあって・・・
という方、まずは文春文庫の
「父の詫び状」から読んでみてください。



昭和にどっぷり浸れますよ。
そして、向田随筆を読破した後こう思うと思います
「彼女が生きていたら、平成をどう書いたかな?」と


過去を振り返るのはマイナスである。

と決め付ける人がいますが、私は必ずしも
そうではないと思います。

たとえば、向田邦子が精力的な執筆活動をしていた
1970年代には石油危機があり、物価上昇という
現在と似た世界情勢がありました。
しかし起きた原因や当時と現在では見られる社会情勢に
若干の違いがあります。なぜ、違うのか考えるのも
楽しいですし、そこに現代へのメッセージがないか
解決へのヒントがないかを真剣に考えれば
必ずや前進への糧となると思います。

過去に引きずられるのではなく軽く振り返る。
社会、家族、個人の問題も全く同じ、
前に進むためのヒントは、過去の社会、家族、個人が
持っているかもしれませんよ。
引きづられない程度に振り返ってみましょう。


関連記事