うつエッセイ〜4〜休職中

大城勝太

2007年12月14日 17:34

■最初の休職
休職期間に入り、まず私が常に感じていたことは、
「自分は必要のない人間なんだ」ということ。

自分がいなくても、組織は動く・・・という変な考え方。

今考えると、なんて不遜な謙虚さの足りない考え方だと思うのですが
当時は、自分がいなくても普通に仕事がまわるというのが悲しくて悲しくて
仕方ありませんでした。

冷静に考えれば、一人の人間が休んだことでつまづいてしまう組織は非常に危ない
ということがわかるはずなのですが、 そんな冷静な判断をする余裕は
当時ありませんでした。

家で休んでいても落ち着きませんでした。
仕事もできないくらい心が疲れているはずなのに
仕事のことを考えていない自分が恐ろしくてしょうがない。
自分一人が世の中から取り残されると思っていましたし、
テレビを見て同い年くらいの有名人が出てくるたびに
自分は何をやっているんだろう。なんて考えたものです。
我が家から見える国道58号の渋滞も苦しかったです。
私はここで何をしているんだ。
みんな渋滞に巻き込まれながらも出勤して仕事いるのに俺は…
気がつくと、部屋中のカーテンは閉まっていることが多くなりました。
カーテンを開いて外の景色を見るのもストレスになっていたからです。
今思えば、せっかくに休みなのに、不安が堂々巡り。
とにかく自分自身を責める日々が続きました。



休み始めて10日ほど経ったころでしょうか。
久々に開け放ったリビングの窓から、キレイな海が見えたのです。
もちろん、今までも海は見えていました。
でも、今まで本当の意味で海を見ていなかったのかもしれません。

私はこの日、海を見て、海の「青さ」に本当に感激したんです。
空と海の青のコントラストが本当にキレイでぐっとひきこまれました。
そうなると、カーテンを開けるのも楽しくなってきて、
毎日のように海の観察。
そんな毎日を続けていると気がついたのです。
同じ海でも、時間帯や天気によって
見せる表情が違うのだということに。

海の街糸満で20年生活していたはずなのに、私は海の青さを思い出せないくらい
ゆとりを失っていたんだなと思いました。

この海の青さに気がついたあたりから、 精神的にも落ち着きを見せ始め
心も体も休んでいるという実感が湧いてきたようです。
休職期間が終わる頃にはちょっとだけ元気な自分を取り戻していました。