一朝入魂(319)

大城勝太

2012年02月21日 02:18

「マジやばい!! 良いの悪いの どっちなの」

という今回のサラリーマン川柳に共感した人はどのくらいだろうか。
私だって人並みに「やばい」という言葉は使うが・・・最近その
「やばい」はどっち?と首をかしげることが正直増えた。

社会人になってそろそろ10年。

「やばいよ~やばいよ~」っと出川哲郎並に叫びながら何とか
ピンチを乗り越えてきた。(先輩に助けられて乗り越えられた・・・が正確)

しかし、最近は若い世代を中心に感動を表す表現として「やばい」
が定着していることにどうも違和感を覚えるのだ。

今日大学の構内で耳に入った
「やばい、ちょ~このリクルートスーツイケてる」という言葉に
なんだか違和感を覚えると同時に「私が面接官だったら絶対に採用
しないな」なんて思わず意地悪が頭をよぎった。


やばいという言葉の語源、ご存知だろうか?
実はこれ、非常に興味深い。

「やばい」という言葉、「具合の悪いさま」「不都合」を
あらわす「やば」という形容動詞を形容詞化したもので、
泥棒が警察に捕まえられそうなときに発した隠語なんだ
とか。そう、その筋からするとかなり危険なときに発せ
られる言葉で、本来の意味は危険の察知であり感動の表出
ではないのである。

言葉は生き物でその変化は止められないものだとは思う。
その流れに沿って「やばい」という言葉は感動を表す言葉
としても市民権を得つつあるのかもしれない。

しかし、「ヤバイ」という言葉を文字に起こしただけでは
危険なのか感動なのかさっぱりわからないということに
言葉の貧しさを感じてしまうのは私だけだろうか。面接官
なら採用しないという前述の言葉もそこに所以がある。

「オンリーワン」を大切にと育った世代。私らしさを表す
唯一無二の言葉が溢れてもよさそうなものだが、その個性
を表す言葉が判で押したように「やばい」とあっては…

それこそ本当にヤバい気がする。

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