きっぱんと昭和と野球の一日〜一朝入魂(554)

大城勝太

2014年02月05日 21:54

今日は取材で出会った人から本当に元気をもらえる一日だった。

まずは一人目。謝花きっぱん店の謝花ひさのさん。

パワフルでアクティブという言葉が似合うひさのさん。
伝統を重んじながらも、その素晴らしさと魅力を多くの人に
伝えたい。そのための“変化”に挑む姿勢。深く感銘を受けた。


今日は、きっぱんの取材ではなく、冬瓜漬けの取材だったが
私にはきっぱんの思い出がある。

私にきっぱんの存在を教えてくれたのは向田邦子。
高校時代の話である。「女の人差し指」というエッセイ集に
沖縄胃袋旅行という随筆があり「きっぱん」と謝花きっぱん店
が出てくる。

当時12歳だった向田は父の仕事の都合で鹿児島に住んでいた。

そのとき、沖縄へ出張に出かける父親が、沖縄土産として
買ってくる「きっぱん」というお菓子が大好きだったという。
大人になってもどうして忘れられず、きっぱんをさがすのだが、
どうもその「きっぱん」が見つからない。沖縄を訪ねくまなく
探すも、なかなかみつからずあきらめかけたそのとき、タクシー
の窓からきっぱんという看板をみつけやっと口にできた・・・
という話。

大学時代、一度謝花きっぱん店を訪ね、それを口にした日の感激
を私は昨日のように覚えている。それだけに今日、6代目となる
ひさのさんを取材できたことは本当に嬉しかった。
取材の詳しい内容は後日またここに書くことにする。

二人目は

西原町にある昭和空間 門の家そば 代表の砂川昌二郎さん
ほんとうに「おもてなし」の塊のような人で、暖かく私たちを
迎えてくれた。そのもてなしぶりは感激のあまり涙が出るほど。
・・・ちょっと前までこんなおじさん近所にたくさんいたなぁ
と懐かしい気持ちになった。砂川さんとの出会いにも感謝。
沖縄のホスピタリティは高いと言われるが、いつの間にか
その良さが失われていないか、砂川さんのような人間になり
たいと心から思った。

もちろん、この取材の詳細も後日またここに書く。

そして三人目

先ほどまでトークショーに出演中だった
ながさわたかひろさん

ヤクルトスワローズの選手の一員として(自称)
シーズン中のすべての試合のイラストを描く。

その熱狂ぶりは想像以上。

ながさわさんは描く事でシーズンを戦っている(自称)
繰り返す。応援しているのではない。戦っているのだ。
ながさわさんは、自分が一生懸命描く事がチームの勝敗に影響する
と信じている。昨シーズンチームが最下位に終わったのも、
自分自身の描く姿勢がにえきらなかったからだと分析されている。

とにかくユニホームと背番号が欲しいと熱望するも、
今のところ選手の一員として認めてくれているのは小川監督のみ。
ヤクルトの衣笠球団社長からは未だ“選手”とは認められていない。
ただ、先日「今年の成績如何では考えてもいい」と言われたそうで
本人は今シーズンに大きな期待を寄せているようだ。
(ただし、成績が何を意味するか、如何とはどの程度かは不明。笑)


今日のトークショーを通して、ながさわさんは、今シーズン、試合の
あらすじだけではなく、試合の随所ににじみ出る選手やチームの野球観
のつまった濃縮した一瞬を描きたいという“戦い方”を決意した。
いつの日か、ながさわさんがヤクルトの“選手”の一人として衣笠社長に
認められる日がくることを私も応援したい。

今日はここまで!おやすみなさい。




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