「いま」「ここ」を大切に。
FM沖縄アナウンサーとして、産業カウンセラー・キャリアコンサルタントとして、 そして食いしん坊として
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2014年01月19日

一朝入魂(525)

名護市長選挙当日のお昼前。辺野古の街を歩いてきました。
一朝入魂(525)

「あんたがたマスコミで今日はにぎやかだ」

と声をかけてきたおばさんがいました。

今日は朝からマスコミ各社がチャーターした
大型タクシーやレンタカーが辺野古の街に溢れている
というのです。実際、私がおばさんから話を聞いている
最中も同業者の乗るハイヤーが数台通り過ぎていきました。

辺野古の街は時間が止まったように静かでした。
一朝入魂(525)
一朝入魂(525)
一朝入魂(525)
一朝入魂(525)
歩いている人はほとんどおらず、
誰かが歩いていると、部屋のカーテンや障子の
陰に隠れて覗き込む住民の姿を何件か見ました。
私のようなよそ者が歩いているのを珍しがって見る
というよりは、地域の住民が共にそれぞれの動きを
監視しあっているような気がしました。街全体が
息苦しいと感じたのはそのせいかもしれません。

先ほどのおばさんは続けました。

親戚の誰それは、賛成、反対、友人のなにがしは反対
だったけど賛成に転じた・・・と、いかに辺野古が
基地に翻弄されたかをとくとくと話した後、最後に
こう言いました。

「この十数年、
仲違いしいがみ合って過ごした時間を返して欲しい」

辺野古を街や海を見下ろす丘の上には
国立高専が建っています。
もちろん、振興策の一環で整備された学校です。
一朝入魂(525)
一朝入魂(525)
1999年、当時の岸本市長が普天間の代替施設の
受け入れ表明以降、多額の振興予算が名護に投下された
ものの、辺野古の街自体が、その恩恵をどれだけ受けた
のか・・・わずか数百メートルも離れていない地域で
近代的な校舎と、寂れた街の光景がそのすべてを物語って
いるようでなりません。

「東側に人がとどまり、もうけさせてほしいさ。
どうせ、国は基地をこっちにもってくるんでしょ?」
そう言っておばさんは去っていきました。

おばさんの耳にも今頃、現職再選の一報が届いているでしょう。
彼女はどんな思いでその一報を耳にしたのでしょうか。


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